アイスプラントとは

 

アイスプラントという言葉を皆さんも随分と耳にするようになってきたと思いますが、そもそもアイスプラントとは学名でMesembryanthemum crystallinumと呼ばれるハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物のことで、アイスプラントというネーミングの由来は表皮部分に塩を隔離するための細胞があり、そのため葉の表面が凍ったようにも見えることからつけられています。

 

原産地はヨーロッパ、西アジア、アフリカなどで、乾燥に耐える特性と共に、耐塩性も高い塩生植物で、海水と同程度の塩化ナトリウム水溶液中であっても水耕栽培が可能な点が最大の特徴です。

 

又、生活環が比較的短い半年程度であり、栽培方法も容易なので、現在では植物の耐塩性研究におけるモデル生物と考えられおり、学術的な観点からも注目が集まっているのです。

 

注目すべき点はそれだけではなく、乾燥状態や塩ストレス状態を与えない場合は一般的なC3光合成という光合成経路であるのに、乾燥させたり塩ストレスを与えると一転してCAM型光合成へと移行することができるのです。

 

更に、表皮にはブラッダー細胞という塩嚢細胞が体内に侵入した塩類を隔離するために発達するという特性があり、その大きさは2ミリ前後でキラキラと透明で輝き、種名がクリスタリナムとなった由来ともなっています。